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こんぶんこ

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初期研修病院の選び方

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先日、オペに入っていると病院見学に来た学生さん(5年生)がいました。

研修医ということで、学生さんのお相手をお願いされることが多いのですが、いや私、流石にまあまあの特殊性があるし、年齢差もありすぎてなんだかお話も何をしてあげればいいのやらと思っていると、

話の途中で、まさかの同世代ということが発覚。

研修病院も悩まれていたので、自分の世代に当てはめた、よきアドバイスができたように思いました。(自己満足だったかもしれない)

というわけで、家庭があったりする方、社会人してから医学部に行き、研修病院に悩む方向け?の記事です。

市中病院と大学病院

基本的に市中病院と大学病院の2択ですが、給与が安いと評判の大学病院にも給与を高くする抜け道は存在しますので、その辺りを解説したいと思います。

絶対にこっちがいいというのはないです。ちなみに私は給料が安いと悪名高い大学病院研修医です。

給与は断然市中病院、、だが、、

社会人を経た再受験生や家庭がある方がかなり気になるのは給与額でしょう。これは確実に市中病院に軍配があがります。その市中病院の考え方にもよりますが、最近は残業代が支払われたりすることも多くなりつつあります(当然払ってくれない病院も大量にあるぞ)。研修医できちんと残業代が支払われるところであり、外科系などで結構残業していると、残業+当直などで、月の手どりで60近くいくようなこともしばしばあります。

病院によっては朝のカンファレンスの時間も時間外がつく病院もあります。7時半からのカンファだと1時間〜1.5時間つくわけです。

あとは、地域によって年収差がかなりあります。当地区はクソほど平均が低くて笑っちゃいますけど、東海地区、東北、北海道は何故だか大変高いですね。東北、北海道はわかりますけど、名古屋のある東海地区はなぜあんなに給与が高いのか。

引っ越しも問題ないという方はその辺りも含めて検討されるとよろしいかと。

大学病院は、残業は基本つかないと考えてもらっていいと思いますね。

大学病院のメリットはあるのか

じゃあ大学病院のメリットってなんなんだよ。。ってなりますが、これはマイナー科などで、後期研修の基幹病院が大学病院しかないやんけ、、っていうことが地方だとまあまあな頻度であります。

しかも自分がその地方の大学出身ではない場合で、地元に帰りたい場合などですね、大学の雰囲気が全くわからないと、後期研修で突然医局に入り、そこで研修始めるというのはなかなかのギャンブルかもしれません。親とか親族から医局情報が入る方は問題ないですけど、激ヤバの医局という可能性も否定しきれません。

学生6年その大学にいれば、そこの雰囲気を掴むのは容易いですし、情報も入ってきます。でも、違う地区にいるといい意味でも悪い意味でも情報が入りにくい。雰囲気が合わない時の代償は半端ないと思います。職場の雰囲気が終わってる時の職場ってどうなるか、社会人を経験してる人ならわかってくれますよね・・・。わからない人には端的にお伝えすると、自分の精神が崩壊します。職場の関係ってほんとめんどいもんなんですわ。

なので、とりあえず、大学研修医をすればある程度の雰囲気は掴めるし、絶対アカンところはわかるようになります。(その科志望であった場合の対処法については後述)

シーリングをご存知でしょうか

あとはですね・・・、医師の多い地区から、後期研修医に対するシーリングが始まっています。これを意外と知らない人がいてびっくりしたのですが、シーリング、知ってます?

例えば関西圏、首都圏のマイナー科の後期研修医などは、年度ごとにその科でその県の後期研修医になる人数が限定されるシステムが既に始まっています。

つまり○○県で○科の後期研修医(3年目)は6人、とか。これ、県単位の区切りですからね。これで、基幹病院が大学病院しかないという地区も存在するわけです。

基本的に自大の出身者を優遇することがほとんどです。というわけで、他大学出身であった場合に、初期研修医で顔を売る必要性などもあり、大学研修医になる人もいるようですね。

当地区ではなんと某マイナー科は入局制限があるなどの噂も聞いています(人数が多すぎるため)。すごすぎやん・・

自分が後期で残りたい場所がある、それが東京のマイナー科とかであれば、大病院(後期の基幹病院になっているクラスのね)、または大学病院という選択肢は、捨てきれないのかなと思います。

シーリングについては、絶対に残りたい地区のある人は調べておくべき問題かと思いますね。

大学病院は絶望的なあなたへ

で、さっき上で言っていた、ある県に残りたいけど、大学病院の志望科は雰囲気が絶望的だった、どうしよう、、という方は、その県にある後期研修でその科の基幹病院になっているような病院をすぐにリサーチしましょう。

大学医局とは離れた、志望科のある、ある程度大きめの病院があれば、見学にいきましょう。ついでに後期研修に各年度ごとに入れる人数をチェックしておきましょう。

基本的にはそういう病院は初期研修から来た人間を後期研修で採用してくれます。むしろその枠狙いでマイナー科志望の研修医が来ます。大きめの研修病院なら後期に残るために内科外科でもよくある話ですけどね。個人的な感想ではありますが、こういう病院は割とよき病院が多いイメージです。

まあ、これって内科志望とかには全然当てはまらない話ですがね。内科とかなら結構どこでも基幹病院あるので、そこまで選ぶのに苦労してないイメージです。

大学病院研修で給与を上げる方法

もう一つ、給与面での大学研修の抜け道としては、大学研修ではたすきがけ研修になることがほとんどですよね。つまり、2年のうち結構な期間、市中病院に出れるということです。

市中病院にいる期間が一定以上になると、雇用主が大学病院から市中病院に変更になります。

書類手続きなどは煩雑ですが、雇用主が変わるので、その市中病院の待遇になります。なので、研修医の75%くらいが2年目になると市中病院にいて大学病院に全然人がいないね、という状況になります。

これをよしと捉えるかどうか。関連病院の雰囲気がわかること、待遇がかなり変わることなどは良い点ですね。書類関係はめんどくさいこと、あと、たすき研修医だからということで「たすきはたすきだからー」という、受け入れ側のメンタルもあったりするようで、意外と疎ましく思われていることもあるようです。

特に不利益を被ることはあまりないです。

日直や当直はどうなのか

研修医の多い病院であればあるほど当直に当たる回数は少ないとは思います。が、そもそもあんまし研修医が当直をしていない病院もあります。そういう病院は研修医の当直日直回数が決まっていて、好きなところに入れるという感じですね。無茶な数は要求されません。

むしろ、人数足りていないくせに無理矢理、断らない救急とかやってる病院の方が、ひどい。無理矢理、研修医を入れていくのだから。回数とか関係なく。

子どもの年齢にもよるかもしれませんが、未就学児がいて月4当直+土曜回診はさすがにきつかったです。いけるんじゃね?とか思ってやってみたんですわ、1年目の最初くらいに。まあ1年目の最初だったから余計しんどかったのかもしれませんが、これは、、、アカンやつやと思いました。すぐ変更してもらいました。

子どもらが激しく不安定になりましたわ・・・夜もママはーーママはーーー??の大合唱w夜中に私がリビングにいると、どっかいくの?と泣きながら起きてくる始末wこれはアカンかったですね。。

家庭持ちの方にはいいのか悪いのか分かりませんが、たすき先では病院によっては当直や日直がなかったりします。当然、関係なく当直日直を課す病院もありますが。ここは、説明上もほとんど書かれることのないところですので、特に子供がいるような方は確認した方がいいですね。

もともと当直をしなくていいという病院で、当直やら日直がしたければ、した意ですと言えば、普通させてくれます。だって病院側やスタッフからしたらめっちゃラッキーやん、それ。むしろ喜ばれる。

だけど、家庭状況とか関係なく、当直必須な、あと土曜日曜回診も必須な、っていう病院で、この日はどうしても無理なんです・・って言ったらまじヒンシュク買う。それがどうしようもない理由であっても言うやつは言うからな・・。

私はそういう病院(土日回診必須な、っていう病院)を1年目の最初の方に回って、1ヶ月で退散しましたね。たまたま1ヶ月にしててよかったよ。それ以降のたすきがけは、私のような人間が貴院に研修しに行ってよかとですか?っていうメールをして、条件が無理そうなところはやめました。

行きたいなと思っていたところもあったけど、家庭生活とのバランスが、こちらも相当削ぎ落として勝負しないとやっていけませんから、無駄は削除w

他の既婚女性の進路

私の友達たちの話ですが、子どもがいる人(女性)は、私以外は市中病院研修医です。他地区ですが。でもやっぱりリサーチ力は大切です。双方の両親の助けがない友達は、基本的に当直のない病院を選んでいました。(そんなんあるんかよって思うと思いますが、研修医当直は22時までとか0時までっていう病院も意外とあるんですよ。)

あと県による特色もかなりあるようで、子育てに優しい県も存在しているようですね。

まあ若い人たちからしたらハイポやらハイパーやら色々あると思いますが、既にこちらは生活自体が相当ハイパーなもんで、病院選びは自分にとってバランスの良いところをなんとかかんとか探すというのが最適解かと。

専門の科に進むのなら、たった2年間の知識って古くなりますし・・

研修生活も終焉を迎えつつ思うことなのですが、初期研修医は一応の救急対応ができるようになりたいとか色々あるじゃないですか。でも、もし専門科に入ってしまえばあまり関係なくなってしまうのが日本の現状です。みんな3年目から全科当直とかしてるわけだし。

激しい病院に行かなくても、普通の救急対応ならある程度どの病院に行っても普通にはできるようになるんじゃないのかなあ、と。

内科や外科に行けば、毎日病棟の患者さんの救急対応みたいなことしてるわけだし、普通にやってれば強制的にできるようになるわけです。専門科に入った後は忙しいし、救急の知識をアップデートしてる先生とかはそんないないよなっていう印象。そらそやろ。忙しいもん。マイナーならなおさら、アップデートの機会がない。(アップデートの必要性もないだろうし・・・)

時間がないから仕方ないとわかっているけど、ちょっと上の先生でも、「その知識、ちょっと古いのでは?」と思う方針で救急対応されていたりすることがある。きっと、その先生が研修医だったころの流れなんだろうなと理解しているし、当然何も言わないけど、結局、医療界において、知識というのは古くなる。

だとしたら異常なハイパー病院を選ぶ理由はあまりないのかなと思ったりもするわけです。結局、その時期の知識しか頭に残らないということになるし。だったら他に大切な時間の過ごし方があると思うし、精神を病むようであればなおさらよく考えた方がいいと思います。

ハイポを揶揄する上の先生は多いと思いますけど、自分は自分であり、ハイポに対して文句言ったりこちらの価値観を否定する人がいても、その人はこちらの人生の責任は絶対にとってくれません。病院もそうです。組織や病院も、こちらの人生の責任はとってくれません。自分にとって1番のベストを考えて生きていきたいものです。



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